「助動詞」とは「動詞を助ける詞(ことば)」である。したがって「助動詞」は必ず「動詞」と一緒に使用される。
英語の「助動詞」は、下記の表にある通り全部で16種類あり、主に30の意味を表現する。これらを基礎から徹底的に解説することがこのコラムの目的である。
助動詞 | 例文 |
will (意思) |
I will call her tonight. (私は今夜彼女に電話する。) |
will (未来の予測) |
She will go to the party. (彼女はパーティに行くだろう。) |
will/would (依頼) |
Will[Would]you open the door, please? (ドアを開けてくれますか[頂けますか]?) |
would (willの過去) |
Kate said that she would call me tonight. (ケイトは今夜私に電話すると言った。) |
would (推量) |
It would be nice to have a new house, but we can’t. (新しい家を持つことは素晴らしいだろう、でも我々は買えない。) |
would (過去の習慣) |
When I was a child, I would swim in the river. (子供の頃、私はよく川で泳いだものだ。) |
can (可能) |
I can see the mountain from my room. (私の部屋から山を見ることができる。) |
can (能力) |
He can speak five languages. (彼は5つの言語を話すことができる。) |
can/could (依頼) |
Can[Could]you open the door, please? (ドアを開けてくれませんか[頂けませんか]?) |
can/could (許可) |
Can[Could] I open the window? (窓を開けてもいいか[よろしいですか]?) |
could (canの過去) |
My grandfather could speak five languages. (私の祖父は5つの言語を話すことができた。) |
could (推量) |
That could be a UFO. (あれはUFOかもしれない。) |
may (推量) |
He may know the truth. (彼は真実を知っているかもしれない。) |
may (許可) |
May I ask you a question? (お伺いしてもよろしいですか?) |
might (推量) |
If I won the lottery, I might quit my job. (もし宝くじに当たったら、仕事をやめるかもしれない。) |
shall (提案) |
Shall I open the window? (窓を開けましょうか?) |
shall (意志) |
We shall probably go on holiday next month. (我々はおそらく来月休暇で出かける。) |
should/ ought to (義務) |
You should[ought to]apologize. (あなたや謝るべきだ。) |
should/ ought to (当然) |
She should[ought to]pass the exam because she is smart. (彼女は頭がよいので試験に通るはずだ。) |
must (意見) |
You must go home now. (あなたは今家に帰らなければならない。) |
must (推量) |
You must be hungry. (あなたはお腹が減っているに違いない。) |
used to (過去の習慣) |
I used to play golf a lot. (私はよくゴルフをしたものだった。) |
used to (過去の状態) |
This building used to be a movie theater. (この建物はかつて映画館だった。) |
need (必要) |
You needn’t[need not]come with us. (あなたは我々と一緒に来る必要なない。) |
dare (あえて〜する) |
I daren’t[dare not]tell him the truth. (私はあえて彼に本当のことを話さない。) |
be (進行形) |
I am studying English at The English Club. (私はThe English Clubで英語を勉強している。) |
be (受動態) |
This building was built in 1900. (この建物は1900年に建てられた。) |
have (完了形) |
I have finished my homework. (私は宿題を終えた。) |
do (疑問文) |
Does he speak English? (彼は英語を話すか?) |
do (否定文) |
He doesn’t speak English. (彼は英語を話さない。) |
それぞれ詳しく説明しよう。
目次
1. 英語の助動詞|【超基本】助動詞の使い方
まずは、初心者の方向けに助動詞の使い方の基本を説明する。
1.1. 助動詞は「動詞」と一緒に使う
○ He can play baseball.
✖️ He can baseball.
(彼は野球ができる。)
動詞の詳細については追ってコラムを作成するので参考にしてほしい。
1.2. 1つの動詞に2つ以上の助動詞は使えない
○ He can play baseball.
✖️ He can should play baseball.
(彼は野球ができる。)
1.3. 助動詞のあとには「動詞の原形」が続く
○ He can play baseball.
✖️ He can plays baseball.
(彼は野球ができる。)
1.4. 助動詞には三人称単数の「s」はつけない
○ He can play baseball.
✖️ He cans play baseball.
(彼は野球ができる。)
三人称単数の詳細については追ってコラムを作成するので参考にしてほしい。
1.5. 助動詞の否定形は直後に「not」をつける
○ He cannot[can’t]play baseball.
✖️ He doesn’t can play baseball.
(彼は野球ができない。)
助動詞にはそれぞれ、「cannot → can’t」のような短縮形があるので気をつけてほしい。口語では短縮形で発音されることが多い。
1.6. 助動詞を使った疑問文は助動詞を文頭に置く
○ Can he play baseball?
✖️ Does he can play baseball?
(彼は野球ができるか?)
疑問文の作り方の詳細については「英語【疑問文】※話すための英文法|超基本〜発展を徹底解説!」を参考にしてほしい。
2. 英語の助動詞|「will」と「would」
2.1.「will」の意味と使い方
助動詞「will」は大きく分けて「意思」と「未来の予測」の2つの意味を表現する。ちなみに、名詞の「will」も「意思」や「願望」の意味がある。
「will」の否定「will not」は、短縮形で「won’t」になる。
「意思」を表す「will」
「will」は「今」決めた「意思」を表す。下の例文では、「I(私)」は、彼女に今夜電話することを「今」決めたのだ。
I will call her tonight.
(私は今夜彼女に電話する。)
上の例文のように、「今」決めた今後の予定には「意思」を表す「will」を使う。一方で「前もって」決めていた今後の予定には「will」は使えない。
例えば、下の例文のように「be going to」や「現在進行形」を使うと、今決めたことではなく、前もって決めていた「予定」の意味を表現できる。
I’m going to call her tonight.
≒ I’m calling her tonight.
(私は今夜彼女に電話する予定だ。)
「will」と「be going to」「現在進行形」との違いの詳細は「英語【未来形】※話すための英文法|基本から発展を徹底解説!」を参考にしてほしい。
「意思」を表す「will」を否定「will not = won’t」にすると、「どうしても〜しない」(否定の意思)という意味になる。下の例文のように、本来「意思」を持たない「もの」にも使用される。
My car won’t[will not]start.
(私の車はどうしても動かない。(動く意思がない。))
「意思」を表す「will」を疑問文で使うと、「〜する意思はあるか?」という意味から「〜してくれますか?」に意味になる。
Will you open the door, please?
(ドアを開けてくれますか?(開ける意思があるか?))
「未来の予測」を表す「will」
「will」は「未来を予測」するときに使う。下の例文では、話者が「She(彼女)」が今夜パーティに行くことを予測している。
She will go to the party.
(彼女はパーティに行くだろう。)
上の例文は、あくまで「話者の予測」であり、「She(彼女)」が決めたことではない。したがって、「未来を予測」を表す「will」は、「probably」や「I think」などと一緒に使用されることが多い。下記の例文を参考にしてほしい。
She will probably go to the party tonight.
(彼女は今夜おそらくパーティに行くだろう。)
I think she will go to the party tonight.
(私は、彼女は今夜パーティに行くと思う。)
I’m sure she will go to the party tonight.
(私は、彼女は今夜パーティに行くと確信する。)
「will have + 過去分詞形」は、「未来のある時点までに、ものごとが完了していることの予測」を表す。
The concert will have finished by 9 pm.
(コンサートは午後9時までには終わっているだろう。)
「will be + 現在分詞形」は、「未来のある時点で、ものごとが進行中であることの予測」を表す。
We will be having dinner at 9 pm tonight.
(我々は今夜9時には夕食を食べているだろう。)
2.2.「would」の意味と使い方
助動詞「would」は「will」の過去形として使用される場合と、「would」独特の意味である「推量」と「過去の習慣」を表現する場合とがある。
「would」の否定「would not」は、短縮形で「wouldn’t」になる。
「will」の過去形としての「would」
「would」は「will」の過去形である。その代表的な例文を2つ紹介する。
Kate said that she would call me tonight.
(ケイトは今夜私に電話すると言った。)
上の例文は、「I will call you tonight.(私は今夜あなたに電話する。)」と「Kate(ケイト)」が言ったことを、「Kate(ケイト)が〜と言った」という形(間接話法)にした文だ。「Kate said」と過去形なので、それに合わせて「will」も過去形の「would」になっている(時制の一致)。
John was upset because his car wouldn’t[would not]start.
(ジョンは彼の車がどうしても動かないので動揺した。)
上の例文は、「His car won’t[will not]start.(彼の車はどうしても動かない。)」を過去形にするために「wouldn’t (would not)」にしている(時制の一致)。
「推量」を表す「would」
「would」は、物事を「推量」するときに使う。下の例文では、「新しい家を持つ」ということが叶えば「素晴らしいだろう」と推量している。
It would be nice to have a new house, but we can’t.
(新しい家を持つことは素晴らしいだろう、でも我々は買えない。)
下の例文は、「would have + 過去分詞形」で「〜だっただろう」と過去のことを推量している。
I would have called her, but I didn’t have her number.
(私は彼女に電話しただろう、しかし彼女の電話番号を持っていなかった。)
上記の「推量」を表す「would」と「would have + 過去分詞形」は、「if節」と一緒に使うと「仮定法」になる。下の2つの例文は「仮定法過去」と「仮定法過去完了」である。
【仮定法過去】
I would call her if I had her number.
(私は彼女の番号を持っていれば、彼女に電話するだろう。)
【仮定法過去完了】
I would have called her if I had had her number.
(私は彼女の番号を持っていたならば、彼女に電話しただろう。)
「仮定法」の詳細は「英語【仮定法】※話すための英文法|基本から発展を徹底図解!」を参考にしてほしい。
「推量」を表す「would」を疑問文で使うと、「will」の「意思」の意味とあいまって「〜する意思はあるだろうか?」というニュアンスから「〜して頂けますか?」という意味になる。「Would you〜」は「Will you〜」(〜してくれますか?)よりも丁寧な依頼になる。
Would you open the door, please?
(ドアを開けて頂けますか?(開ける意思があるだろうか?))
Will you open the door, please?
(ドアを開けてくれますか?(開ける意思があるか?))
また、「Would you like (to)〜」で「〜はいかがですか?」というような「提案」や「誘い」を表現できる。「would」の推量(仮定)の意味が含まれるので丁寧な言い方になる。この場合は「will」は使えない。
Would you like something to drink?
(何かお飲みものはいかがですか?)
Would you like to come with us?
(我々と一緒に来たいですか?)
「would like (to)〜」は平叙文では「〜欲しい」という意味になる。「want (to) 〜」と同じような意味だが、「would」の推量(仮定)の意味が含まれるので丁寧な言い方になる。
I would like a cup of coffee, please.
(コーヒーを頂けますか。(コーヒーが欲しいです。))
I would like to come with you.
(あなたたちと一緒に行きたいです。)
「過去の習慣」を表す「would」
「would」は「過去の習慣」(〜したものだった)を表す。下の例文では、「子供の頃」に川で泳ぐ習慣があったことを表している。
When I was a child, I would swim in the river.
(子供の頃、私はよく川で泳いだものだ。)
3. 英語の助動詞|「can」と「could」と「be able to」
3.1.「can」の意味と使い方
助動詞「can」は「可能性」を表現する。「能力」「許可」「依頼」の意味があると説明している辞書・文法書が多いが、「可能性」と覚えておけば全ての場合で通用する。
「can」の否定「cannot」は、短縮形で「can’t」になる。
「可能性」を表す「can」
「can」の基本の意味は「可能性」である。下の例文では、「I(私)は、私の部屋から山を見ることが可能だ」が本来のニュアンスである。
I can see the mountain from my room.
(私の部屋から山を見ることが可能だ。→ 私の部屋から山を見ることができる。)
一般的には「can」は「〜できる」と覚えている方が多いと思うが、それでは、下の例文は理解できないだろう。あくまで「can」は「可能性」と覚えておこう。
It can’t[cannot]be true.
(それは本当である可能性がない。→ そんなはずはない。)
「可能性」→「能力」を表す「can」
「can」は、基本の意味である「可能性」から「能力」を表現する。下の例文では、「5つの言語を話すことが可能だ」という「能力」を表現している。
He can speak five languages.
(彼は5つの言語を話すことが可能だ。→ 彼は5つの言語を話すことができる。)
「可能性」→「許可」を表す「can」
「can」は、基本の意味である「可能性」から「許可」を表現する。下の例文では、「窓を開けることが可能か?」という「許可」を求めている。
Can I open the window?
(私は窓を開けることが可能か?→ 窓を開けてもいいか?)
「可能性」→「依頼」を表す「can」
「can」は、基本の意味である「可能性」から「依頼」を表現する。下の例文では、「窓を開けることが可能か?」という「依頼」をしている。
Can you open the window?
(あなたは窓を開けることが可能か?→ 窓を開けてくれるか?)
「can’t have + 過去分詞」
「can’t have + 過去分詞形」では、「〜だった可能性がない」の意味から「〜だったはずがない」という過去の可能性の否定の意味を表現することができる。
She can’t have gone out with Tom.
(彼女はトムと一緒に出掛けたはずがない。)
【補足】「can」と「be able to」
「be able to」は「can」と同じ意味だと思っていい。「can」の方が一般的だが、下の例文のように、他の助動詞と組み合わせる場合は「be able to」を使う。ちなみに、「be able to」は助動詞でなない。
She might be able to come tonight.
(彼女は今夜来られるかもしれない。)
3.2.「could」の意味と使い方
助動詞「could」は「can」の過去形として使用される場合と、「could」独特の意味である「推量」を表現する場合とがある。
「could」の否定「could not」は、短縮形で「couldn’t」になる。
「can」の過去形としての「could」
「can」の過去形としての「could」は、「see(見る)」や「hear(聞く)」などの「知覚動詞」等と一緒に使われることが多い。下の例文では、「見ることが可能だった」という「過去の可能性」を表している。
We couldn’t[could not]see the lake from our hotel room.
(我々のホテルの部屋から湖を見ることが可能だった。→ 見ることができた。)
「could」とよく使われる知覚動詞は「see」「hear」の他に下記のようなものがある。
「could」とよく使われる知覚動詞 |
smell(臭う) |
taste(味がする) |
feel(感じる) |
remember(思い出す) |
understand(理解する) |
また、下の例文のように「能力」や「許可」の意味の過去形としても使われる。
My grandfather could speak five languages.
(私の祖父は5つの言語を話すことが可能だった(能力があった)。→ 話すことができた。)
I could do what I wanted when I was a child.
(子供の頃、私は望むことをすることが可能だった(許可されていた)。→ することができた。)
「推量」を表す「could」
「can」の基本の意味は「可能性がある」だが、「could」は「可能性があるかもしれない」という「推量」のニュアンスが含まれる。つまり「could」は「can」よりも可能性が低いときに使う。なお、この意味で使われる場合の「could」に「過去」の意味は含まれない。
下の一つ目の例文では、今「that(あれ)」を見て、「(あまり確信はないけれど)UFOかもしれない」と思ったときの表現である。決して過去のことを言っているのではない。
That could be a UFO.
(あれはUFOの可能性があるかもしれない。→ UFOかもしれない。)
That can be a UFO.
(あれはUFOの可能性がある。)
二つ目の例文のように「can」にすると、「UFOかもしれない」という確信度が高くなる。
これは、「can」を「could」にすることにより、「仮定」(もしかしたら)というニュアンスを加えていると考えてもいい。既に説明した「推量のwould」も同様である。
「could have + 過去分詞形」では、「(もしかしたら)〜の可能性があった」のように、過去の可能性を推量するときに使う。あくまで「可能性があった」だけで、実際には起こらなかったことを意味する。
下の一つ目の例文は、「You(あなた)」は、昨日来られたのに行かなかったことを意味している。
You could have come with us yesterday.
(あなたは昨日我々と一緒に来る可能性があった。→ 一緒にこられたであろう。)
I could have slept for a week because I was so tired.
(私は非常に疲れていたので、1週間眠る可能性があった。→ 1週間寝られたであろう。)
二つ目の例文は、「I(私)」は実際には1週間も寝ることは不可能だが、それくらい疲れていたことを表現している。このように、現実的に可能だったこと(一つ目の例文)と、不可能だったこと(二つ目の例文)の両方を表現することができる。
推量の「could」と「could have + 過去分詞形」は、「would」同様、「if節」と一緒に使うと「仮定法」になる。
I could answer the question if I had more time.
(もしもっと時間があれば、私はその問題を解くことができるのに。)
「仮定法」の詳細は「英語【仮定法】※話すための英文法|基本から発展を徹底図解!」を参考にしてほしい。
「推量」を表す「could」を疑問文で使うと、「can」の「可能性」の意味とあいまって「〜する可能性はあるだろうか?」というニュアンスから「〜して頂けませんか?」という意味になる。「Could you〜」は「Can you〜」(〜してくれませんか?)よりも丁寧な依頼になる。
Could you open the door, please?
(ドアを開けて頂けませんか?(開ける可能性があるだろうか?))
Can you open the door, please?
(ドアを開けてくれませんか?(開ける可能性があるか?))
「Could I〜」は「〜してもよろしいですか?」という意味になる。「Could I〜」は「Can I〜」(〜してもいいか?)よりも丁寧な許可の求め方になる。
Could I open the window, please?
(窓を開けてもよろしいですか]?(開ける可能性があるだろうか?))
Can I open the window, please?
(窓を開けてもいいか?(開ける可能性があるか?))
【補足】「could」と「was able to」
「can」の過去形の「could」と「was able to」は、両方とも「〜することができた」という「過去の可能性」を表すが、使用する場面に違いがある。
「could」は、過去の時点での「一般的な能力(general ability)」によって「することができた」場合に使用する。一方で「was able to」は、「特定の状況(specific situation)」において「することができた」場合に使用する。
下の一つ目の例文は、「5つの言語を話す」という「能力」を持っていたので、この場合は「could」を使う。
My grandfather could speak five languages.
(私の祖父は5つの言語を話すことができた。)
✖️ My grandfather was able to speak five languages.
She was able to escape from the fire.
(彼女は火事から逃れることができた。)
= She was managed to escape from the fire.
✖️ She could escape from the fire.
一方で、二つ目の例文は、「火事」という「特定の状況」なので、この場合は「was able to」を使う。ちなみに、この「was able to」は「was managed to」(なんとか〜した)に置き換えることができる。
4. 英語の助動詞|「may」と「might」
4.1.「may」の意味と使い方
助動詞「may」は大きく分けて「推量」(〜かもしれない)と「許可」(〜してもよい)の2つの意味を表現する。
「may」の否定は「may not」であり、短縮形はない。
「推量」を表す「may」
「may」は、「〜かもしれない」という「現在」と「未来」の「可能性(推量)」を表現する。
下の一つ目の例文は「現在の可能性(推量)」を表し、二つ目の例文は「未来の可能性(推量)」を表している。
He may know the truth.
(彼は真実を知っているかもしれない。)
It may rain this afternoon.
(今日の午後雨が降るかもしれない。)
「may be + 現在分詞形」は、「〜しているかもしれない」のように「未来の動作の継続の可能性(推量)」を表現する。
I may be studying English at around 8 pm tonight.
(私は今夜8時頃英語を勉強しているかもしれない。)
また、「may be + 現在分詞形」は、「〜するかもしれない」のように「未来の予定の可能性(推量)」も表現する。
I may not be going abroad this summer.
(私は今年に夏に海外に行かないかもしれない。)
「may have + 過去分詞形」は、「〜だったかもしれない」のように「過去の可能性(推量)」を表現する。
You may have left your phone in the car.
(あなたは車に電話を置いてきたのかもしれない。)
She may not have been at home yesterday.
(彼女は昨日家にいなかったのかもしれない。)
He may not have been feeling well.
(彼は気分がよくなかったのかもしれない。)
「許可」を表す「may」
「may」は、「〜してもよい」という「許可」を表す。
You may enter this room.
(あなたはこの部屋に入ってもよい。)
You may not enter this room.
(あなたはこの部屋に入ってはいけない。)
上の二つ目の例文のように「否定形」にすると「〜してはいけない」という「禁止」の意味になる。
下の例文のように、「May I 〜」から始まる疑問文にすると「許可」を求める「〜してもよろしいですか?」の意味になる。
May I ask you a question?
(お伺いしてもよろしいですか?)
なお「May I 〜」は、「Can I 〜」や「Could I 〜」よりもフォーマルな言い方になる。
4.2.「might」の意味と使い方
「might」は、「may」と同様に「〜かもしれない」という「可能性(推量)」を表現する。「might」の方が、若干可能性が低いことを表す場合もあるが、ほぼ同じ意味と考えていい。
したがって、「may」の「可能性(推量)」のところで紹介した例文は、下記のように全て「might」に置き換えることが可能である。
「might」の否定「might not」は、短縮形で「mightn’t」になる。
He may【might】know the truth.
(彼は真実を知っているかもしれない。)
It may【might】rain this afternoon.
(今日の午後雨が降るかもしれない。)
I may【might】be studying English at around 8 pm tonight.
(私は今夜8時頃英語を勉強しているかもしれない。)
I may【might】not be going abroad this summer.
(私は今年に夏に海外に行かないかもしれない。)
You may【might】have left your phone in the car.
(あなたは車に電話を置いてきたのかもしれない。)
She may【might】not have been at home yesterday.
(彼女は昨日家にいなかったのかもしれない。)
He may【might】not have been feeling well.
(彼は気分がよくなかったのかもしれない。)
下の例文のように、現実ではないことを表現する場合(仮定法)は「might」しか使えない(「may」は使えない。)。
If I won the lottery, I might quit my job.
(もし宝くじに当たったら、私は仕事をやめるかもしれない。)
「仮定法」の詳細は「英語【仮定法】※話すための英文法|基本から発展を徹底図解!」を参考にしてほしい。
5. 英語の助動詞|「shall」と「should」と「ought to」
「shall」の過去形は「should」だが、「shall」と「should」は全く異なる意味で使われることが多いので、別の助動詞だと思ったほうがいい。また、「ought to」は「should」と同じ意味だと思っていい。
5.1.「shall」の意味と使い方
「shall」は「提案」するときに使われることが多いが、「will」と同じ「意志」を表すこともある。
「提案」を表す「shall」
「shall」は、疑問文で「〜しましょうか?」や「〜しませんか?」という「提案」を表現する。
Shall I open the window?
(窓を開けましょうか?)
What shall I do?
(私は何をしましょうか?)
Shall we dance?
(踊りませんか?)
Where shall we have lunch?
(我々はどこでランチを食べましょうか?)
「意志」を表す「shall」
「shall」は、「I」か「we」を主語として「意志」を表現することもある。この「shall」は「意志」を表す「will」と全く同じ意味と考えていい。
I shall[will]call her tonight.
(私は今夜彼女に電話する。)
We shall[will]probably go on holiday next month.
(我々はおそらく来月休暇で出かける。)
なお、「I」「we」以外の「he」「she」「you」「they」などを主語にしてこの意味の「shall」を使うことはないと考えていい。
5.2. 「should」と「ought to」の意味と使い方
助動詞「should」と「ought to」は「義務」(〜すべき)と「当然」(〜のはず)の2つの意味を表現する。その他、「should」は「suggest」などの動詞に続く節の中で使われることが多い。
「should」の否定「should not」は短縮形で「shouldn’t」、「ought to」の否定「ought not to」は短縮形で「oughtn’t to」になり「〜すべきではない」という意味になる。
「義務」を表す「should」と「ought to」
「should」と「ought to」は、「〜すべき」という「義務(必要)」を表現する。
You should[ought to]apologize.
(あなたや謝るべきだ。)
You shouldn’t[oughtn’t to]believe her.
(あなたは彼女を信じるべきではない。)
I don’t think you should[ought to]work harder.
(あなたはより一生懸命に働くべきだとは思わない。)
上の最後の例文のように、この意味の「should」は、「I think」「I don’t think」「Do you think」と一緒に使われることが多い。
「should[ought to]have + 過去分詞形」は、過去にしなかったことについて「〜すべきだった」という意味を表す。
You should[ought to]have finished the assignment yesterday.
(あなたはその課題を昨日終わらせるべきだった。(終わらせなかった。))
I shouldn’t[oughtn’t to]have skipped the class yesterday.
(私は昨日クラスを休むべきではなかった。(休んだ。))
「当然」を表す「should」と「ought to」
「should」と「ought to」は、「〜はず」という「当然(推量)」を表現する。
She should[ought to]pass the exam because she is smart.
(彼女は頭がよいので試験に通るはずだ。)
It shouldn’t[oughtn’t to]cost more than $100.
(それは100ドルを超えるはずがない。)
この意味での「should[ought to]have + 過去分詞形」は、もう完了していると予想されることについて「〜してしまったはずだ」という意味を表す。
They should[ought to]have finished dinner by now.
(彼らは、今頃は夕食を終わっているはずだ。)
「suggest」などの動詞と「should」
下記の動詞の後に続く節の中では通常「should」を入れる。この「should」は省略することができる。
「should」を入れる動詞 |
recommend(勧める) |
suggest(提案する) |
propose(提案する) |
demand(要求する) |
insist(主張する) |
Doctors recommend (that) we (should) take vaccine.
(医者は我々がワクチンを摂取することを勧める。)
What do you suggest we (should) do?
(あなたは我々が何をすることを提案するか?→ 何をすればいいと思うか?)
また、下記の形容詞の後に続く節の中でも通常「should」を入れる。この「should」も省略することができる。
「should」を入れる形容詞 |
necessary(必要な) |
important(重要な) |
essential(必要不可欠な) |
It’s necessary that I (should) be there on time.
(私がそこへ時間通りに行くことが必要だ。→ 時間通りにいかなければならない。)
6. 英語の助動詞|「must」と「have to」
助動詞「must」は「意見」(〜しなければならない)と「推量」(〜に違いない)の2つの意味を表現する。
「must」の否定「must not」は、短縮形で「mustn’t」(注:発音は「マスント」)になる。また、「must」には過去形はない。
6.1.「意見」を表す「must」と「have to」
「must」は、「〜しなければならない」という「現在」の話者の「意見」を表現する。
You must go home now.
(あなたは今家に帰らなければならない。(話者の「意見」))
= You have to go home now.
「have to」も「must」同様、「〜しなければならない」という話者の「意見」を表現する。
「have to」は、上の例文のように話者の「意見」としての「〜しなければならない」のほかに、「義務」としての「〜しなければならない」も表現する。下の例文は、話者の単なる「意見」ではない。「土曜日に働かなければならない」のは「He(彼)」の「義務」である。この「義務」の場合は「must」は使えない。
He has to work on Saturdays.
(彼は土曜日に働かなければならない。(「義務」))
✖️ He must work on Saturdays.
「have to」は「意見」も「義務」も両方表現できるので、混乱する場合は「have to」だけ使っていればいい。
「must」には過去形がないので、「〜しなければならなかった」のように過去を表現したい場合は「had to」を使う。
I had to work late yesterday.
(私は昨日遅くまで働かなければならなかった。)
また、「have to」は助動詞ではないので、下の例文のように他の助動詞と組み合わせて色々なことを表現できる。
I will have to visit Japan next year.
(私は来年日本を訪れなければならない。)
I may[might]have to work this weekend.
(私は今週末働かなければならないかもしれない。)
否定の「mustn’t」は「〜してはならない(禁止)」を意味し、「don’t have to」は「〜する必要はない」を意味する。否定になると全く意味が異なるので注意してほしい。
You mustn’t eat this mushroom.
(あなたはこのキノコを食べてはならない。)
You don’t have to eat this mushroom.
(あなたはこのキノコを食べなくてもいい。)
6.2.「推量」を表す「must」
「must」は、「〜に違いない」「きっと〜のはずだ」という話者の強い「推量」を表現する。
You must be hungry.
(あなたはお腹が減っているに違いない。)
You must be joking.
(あなたは冗談をいっているに違いない。)
「must have + 過去分詞」で、下の例文にあるように「〜だったに違いない」と「過去」の強い「推量」を表現できる。
I must have dropped my phone somewhere.
(私はどこかで電話を落としたに違いない。)
She must have been working late.
(彼女は遅くまで働いていたに違いない。)
7. 英語の助動詞|「used to」
助動詞「used to」は「過去の習慣」(〜したものだった)と「過去の状態」(かつて〜だった)の2つの意味を表現する。
「used to」の否定は「didn’t use to」が一般的である。「used not to」も可能だが、あまり使われない。
7.1.「過去の習慣」を表す「used to」
「used to」は、「〜したものだった」のような「過去の習慣」を表現する。下の例文のように、「動作」を表す動詞と一緒に使われる。
I used to play golf a lot.
(私はよくゴルフをしたものだった。)
「used to」を使った否定文と疑問文は以下の通り。
I didn’t use to play golf.
(私はかつてゴルフはしなかった。)
= I used not to play golf.
Did you use to play golf?
(あなたはかつてゴルフをしていましたか?)
7.2.「過去の状態」を表す「used to」
「used to」は、「かつて〜だった」のような「過去の状態」を表現する。下の例文のように、「状態」を表す動詞と一緒に使われる。
I used to live in a big city.
(私はかつて大都市に住んでいた。)
This building used to be a movie theater.
(この建物はかつて映画館だった。)
There didn’t use to be a post office here.
(ここにはかつて郵便局はなかった。)
8. 英語の助動詞|「need」
「need」には、助動詞の「need」と一般動詞の「need」がある。両方とも「〜する必要がある」という意味だが、助動詞の「need」は否定文での使い方を覚えておけば十分である。
助動詞の「need」の場合は、その直後に動詞の原形を置くが、一般動詞の「need」の場合は「to + 動詞の原形」を置く。
助動詞「need」の否定「need not」は、短縮形で「needn’t」になる。また、助動詞「need」には過去形はない。ちなみに一般動詞「need」の過去形は「needed」である。
You needn’t come with us.
(あなたは我々と一緒に来る必要なない。)
= You don’t need to come with us.
助動詞「needn’t」は、一般動詞を使った「don’t need to」と全く同じ意味になる。一般動詞の方がよく使われる。
「needn’t have + 過去分詞」で、下の例文にあるように「〜する必要がなかった」という意味になる。これは、「したのだが、する必要がなかった」というニュアンスである。
He needn’t have mentioned it.
(彼はそれを (言ったが) 言う必要はなかった。)
一方で「didn’t need to」の場合は、それをしたのかどうかは前後の文脈による。つまり、下の例文では、「He(彼)」がそれ(「it」)を実際に言ったかどうかはわからない。
He didn’t need to mention it.
(彼はそれを言う必要はなかった。)
9. 英語の助動詞|「dare」
「dare」には、助動詞の「dare」と一般動詞の「dare」がある。両方とも「あえて〜する」という意味である。
助動詞の「dare」の場合は、その直後に動詞の原形を置くが、一般動詞の「dare」の場合は通常「to + 動詞の原形」を置く(一般動詞「dare」の場合は「to」は省略することがある)。
助動詞「dare」の否定「dare not」は、短縮形で「daren’t」になる。また、助動詞「dare」には過去形はない。ちなみに一般動詞「dare」の過去形は「dared」
I daren’t[dare not]tell him the truth.
(私はあえて彼に本当のことを話さない。)
= I don’t dare (to) tell him the truth.
助動詞「daren’t」は、一般動詞を使った「don’t dare to」と全く同じ意味になる。一般動詞の方がよく使われる。
疑問文では、下の例文のように、助動詞「dare」の場合は「dare」を文頭に置く。一般動詞「dare」の場合は文頭に「Do」を置く。
Dare you tell him the truth?
(あなたはあえて彼に本当のことを話すか?)
= Do you dare to tell him the truth?
助動詞「dare」を使ったよく使う表現に以下がある。
How dare you come here again!
(よくもまあ図々しくまたここに来られたね。)
10. 英語の助動詞|「be」と「have」と「do」
「be」「have」「do」の3つの動詞も助動詞の顔を持つ。それぞれ簡単に説明する。
10.1.「進行形」と「受動態」を作る助動詞の「be」
「進行形」は「be動詞 + 現在分詞(動詞の -ing形)」だが、この場合の「be動詞」は「助動詞」である。
I am studying English at The English Club.
(私はThe English Clubで英語を勉強している。)
「進行形」についての詳細は「英語【現在進行形】※話すための英文法!基本〜発展を徹底解説」を参考にしてほしい。
「受動態」は「be動詞 + 過去分詞」だが、この場合の「be動詞」も「助動詞」である。
This building was built in 1900.
(この建物は1900年に建てられた。)
「受動態」についての詳細は「英語の受け身(受動態)※話すための英文法|基本から徹底解説!」を参考にしてほしい。
10.2.「完了形」を作る助動詞の「have」
「完了形」は「have + 過去分詞」だが、この場合の「have」は「助動詞」である。
I have finished my homework.
(私は宿題を終えた。)
「完了形」についての詳細は「英語【現在完了形】※話すための英文法|基本〜発展を徹底解説」を参考にしてほしい。
10.3.「疑問文」と「否定文」を作る助動詞の「do」
一般動詞(be動詞以外の動詞)を使った文を「疑問文」にするには、「do」を文頭に持ってくる。この場合の「do」は「助動詞」である。
Does he speak English?
(彼は英語を話すか?)
「疑問文」についての詳細は「英語【疑問文】※話すための英文法|超基本〜発展を徹底解説!」を参考にしてほしい。
一般動詞(be動詞以外の動詞)を使った文を「否定文」にするには、「don’t」を動詞の前に置く。この場合の「do」も「助動詞」である。
He doesn’t speak English.
(彼は英語を話さない。)
その他、「強調」や「倒置」のときに使われる「do」も助動詞である。重要性が高くないので例文は省略する。
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